■電子機器との共存に関する問題。 |
最近の科学技術の発達にともなう、いわゆるエレクトロニクス化の波はあらゆる工場
・オフィス・一般家庭にも押し寄せています。工業用ロボット、制御装置、パソコン
、
FAX、電話、テレビ、オーディオ機器、エアコン、時計、自動車、などなどIC(半導体
集積回路)、マイクロコンピュータを搭載した機器は枚挙にいとまがありません。
これらの電子機器もその多くは内部にクロックと呼ばれる数Vの高周波パルスを使用し、それ自体微弱な電磁波を発生してはおりますが、より問題となるのは電磁波など外部からのノ
イズに対する自己防御能力が低い電子機器において、しばしば誤動作を起こす事があるという事です。大パワーの違法無線の電波で石油ストーブが勝手に点火して火災になっ
たとか、パソコンからの電磁波でテレビの画面に横縞が入ったとかいう話はともかく、
工業用高周波装置の影響でロボットが誤作動したり制御回路が誤動作するようでは、まともな生産活動はおろか、作業者の身体・生命への危険をももたらしかねません。高周波装置の側からいえば合法的な手続きを経て設置され、技術的にも構造的にもなんら問題のない装置であっても、周辺に自己防御能力の低い機器が存在し、受信機でもないのに勝手に電波(電磁波)を受信して誤動作するという事実があり、しばしば高周波装置の側に責任を押しつけられる傾向があるのは不合理と言わざるを得ません。
工業用高周波装置の側では、法の規定する「3-1
最大許容値を定めない周波数帯」(=ISM 周波数)に於いても、無制限の電磁波放射が周辺機器に過大な自己防御能力を要求するこ
とになりかねないため極力放射を抑える構造を採用していますが、前項で述べたように
アプリケーションによっては完全な遮蔽構造が取れない場合もあり、装置近傍で100〜
120dB程度の電界強度となっています。 弊社では永年の研究と実施例により、電子機器への電磁波による防護についての充分なノウハウを蓄積しており、装置ユーザー各位に対して状況に見合った最適な技術を提供する事が出来ます。 国際無線障害特別委員会(CISPR)ではISM周波数帯についても、放射する電磁波について無制限な自由放射に換えて上限値の設定を検討しており、125〜145dBという値が提案されています。この値は通常のアプリケーションでは充分に満足できる値ですが、シールド等の放射対策を簡単には施せない一部の全く特殊なアプリケーションについては使用を制限せざるを得なくなるかもしれません。 |
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